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リスティング広告の運用者がアカウントを構築していく際、かなり速い段階で迷うのがキーワードのマッチタイプではないでしょうか。マッチタイプの特性をよく理解せずに部分一致のキーワードのみでアカウントを構築・広告配信し、翌日気づいたら大暴走していたという例は後を絶ちません。

こちらのページでは、それぞれのマッチタイプの機能・特徴に加えてメリット・デメリット・使い方として考えられるシーンを掲載しています。リスティング広告運用者をはじめとした読者の皆様の参考になれば幸いです。

マッチタイプ別のご作法一覧

部分一致

概要

GoogleAdWords・Yahoo!プロモーション広告スポンサードサーチともにデフォルトのマッチタイプです。部分一致では、登録キーワードの語順を問わずそのキーワードの語句が含まれる検索クエリに対して広告が表示されます。検索クエリに登録キーワードとは他の語句が含まれる場合も広告配信の対象になります。

さらに、類義語、関連語句、表記ゆれとシステムが判断した場合にも広告が表示される可能性があります。登録しているキーワード以外にも「類義語への拡張」があることを見落としている方が多いので気をつけましょう。※私も一番最初はそうでした。

主な使い方

キーワードの登録に時間をかけず、可能な限り表示回数を増やす場合に効果的です。
トレンドが変わるような商材や、思いがけないキーワードも積極的に拾いたい場合に設定して、入札していないキーワードでもある程度システムにまかせて広告を配信したい場合にも効果を発揮します。

その一方で、入札価格を大きく引き上げて上位掲載した状態でガンガン攻めていく場合には、部分一致の「類義語への拡張」に注意する必要があります。

SEOの前準備として部分一致による広告出稿を使うやり方もあります。主なターゲットキーワードを単語・または掛けあわせで登録して、どんなキーワードに表示されるか、またはキーワードツールではやや曖昧になっている月間検索数はどの程度か探る、SEOで上位表示する前に成約しやすいキーワードは何かを探る、など、使い道は様々です。Googleアナリティクスで自然検索経由のデータがどんどんnot providedになり隠れていく傾向にあります。そういった意味でもリスティング広告の需要が伸びていく可能性は十分にあります。※少し脱線してしましたね。

◎メリット

・キーワードをあまり考えずに配信が可能。
・類義語等への拡張によって、思いつかないキーワードにも広告を配信可能。

✕デメリット

・類義語、関連語句、表記ゆれにどこまで拡張されるかが想定できない
→特に入札価格を大きく引き上げる際に、拡張度合いが大きくなる傾向にあるので注意が必要です。

・定期的な対象外キーワード(除外すべきキーワード)の精査が必要
→関連語句・類義語とシステムに判断された検索クエリが必ずしも自社のサービスや商品の購入、コンバージョンに直結するものではありません。無駄な広告費を少しでも削減するためには、定期的に除外キーワードの精査が必要です。

広告が表示される実際の検索クエリの例

設定キーワード:「リスティング広告」部分一致
広告が表示される可能性のある検索クエリ:

  • リスティング広告
  • リスティング広告 代理店
  • ヤフーリスティング広告
  • リスティング やり方
  • PPC広告
  • PPC広告 運用 コツ

——-下記のような、少し遠いキーワードにも拡張表示される可能性があります。

  • WEB集客
  • ネット マーケティング
  • ネット 広告
拡張表示による暴走に注意!!

上記のように、部分一致は登録キーワードとズレた検索クエリにも広告が表示される可能性があります。特に、入札価格を引き上げるほど、キーワードの拡張表示の度合いが大きく・広くなる傾向があります。

※入札価格や広告ランク、システムの判断など複数の見えない(見えにくい)要素によって配信状況が変動しますので上記の限りではないことをご了承ください。

絞り込み部分一致

概要

絞り込み部分一致は、部分一致の拡張機能です。対象範囲を部分一致よりも絞り込みつつ、 フレーズ一致よりは幅広い検索クエリに広告を表示したい時に有効なマッチタイプです。非常に融通がきくマッチタイプと言えます。

絞り込み部分一致を設定したい場合は、部分一致で登録するキーワードの一部の語句の前に半角の「+(プラス)」記号を付けます。この「+(プラス)」記号がついた語句に関しては、その語句自体、もしくは少しの言葉の揺れ、たとえば、タイプミスや送り仮名の違いなど類似したパターンの語句で検索された場合に広告が表示されます。「+(プラス)」記号をつけなかった語句に関しては、通常の部分一致の設定となり、類義語や関連性のある検索に対しても広く広告が表示されます。

※掛けあわせのキーワードを登録する際は、プラス記号と単語の間にはスペースを入れず、単語と単語の間には半角スペースを入れます。例:「+リスティング +広告」と入力します。

主な使い方

2語以上の掛けあわせで融通の効く運用を行いたい場合に有効です。無駄な検索クエリへの拡張表示を予防できるので、思い切った入札価格の引き上げが可能です。攻めの運用に強いアカウント構成になります。

◎メリット

・フレーズ一致・完全一致で複合キーワード登録を行う場合と比較して、登録キーワード数が少なくて済む
・通常の部分一致のような予期しないキーワードへの拡張表示が防止できるため、入札価格を大きく引き上げた勝負がしやすい

✕デメリット

・「+」をつけるかつけないかのパターンをルール化しないと設計が複雑になる可能性有り
・部分一致などで拾える類義語などへの広告配信が不可能

広告が表示される実際の検索クエリの例 その①

設定キーワード:「+リスティング +広告」部分一致
広告が表示される可能性のある検索クエリ:

  • リスティング広告
  • リスティング広告 代理店
  • リスティング 選び方 広告代理店

——-下記のような、キーワードに対しては広告が掲載されません。

  • リスティング 代理店 (※「広告」が含まれていない)
  • ネット 広告 (※「リスティング」が含まれていない)
広告が表示される実際の検索クエリの例 その②

設定キーワード:「+リスティング 広告」(「リスティング」のみを絞り込み)
広告が表示される可能性のある検索クエリ:

  • リスティング広告
  • リスティング広告 代理店
  • リスティング 選び方 広告代理店
  • リスティング 代理店

——-下記のような、キーワードに対しては広告が掲載されません。

  • 広告代理店 (※「リスティング」が含まれていない)

上記のように、語句の前に「+」が付与されている単語を含む検索クエリにのみ、広告が掲載される仕組みになっています。

※入札価格や広告ランク、システムの判断など複数の見えない(見えにくい)要素によって配信状況が変動しますので上記の限りではないことをご了承ください。

フレーズ一致

概要

登録したキーワードと完全に一致するフレーズ、そして登録したキーワードの前後に他の語句を含むフレーズが検索された場合に広告が表示されます。登録キーワードが複数語の掛けあわせでできている場合、その語順が入れ替わったり、語句と語句の間に他の語句が入った検索クエリに対しては広告表示の対象となりません。

主な使い方

2語以上の掛けあわせキーワードで、「語順が入れ替わると意味が変わってしまう場合」に有効です。
※語順を入れ替えても意味が変わらないキーワードの場合は、フレーズ一致よりも絞り込み部分一致を使うことで登録キーワード数を節約できます。運用も楽になります。

◎メリット

・部分一致の拡張表示を予防可能
・語順が固定可能

✕デメリット

・掛けあわせキーワードでフレーズ一致を用いると全体の登録キーワード数が増える
→3語のキーワードなどはフレーズ一致でパターンを網羅すると管理が面倒になります。特別な理由がない限り絞り込み部分一致をオススメします。

広告が表示される実際の検索クエリの例

設定キーワード:「”リスティング 広告”」フレーズ一致

  • リスティング 広告
  • リスティング 広告 代理店
  • 売上アップ リスティング 広告

——-下記のような、キーワードに対しては広告が掲載されません。

  • 広告 リスティング (※語順が逆)
  • リスティング 代理店 広告 (※間に単語が入っている)
語順の取り扱いについて

下記は極端な例ですが、

それぞれ部分一致で
「男 好き 女」
「 +男 +好き +女」
上記のようにキーワードを入札しているとしましょう。

その場合、
「男が 好きな 女」「女 が好きな 男」
この両方の検索クエリに対して広告が掲載されてしまう可能性があります。

これを避けたい場合にフレーズ一致を使います。
フレーズ一致で「男が 好きな 女」と入札すれば、
語順を守っていない「女が好きな男」には広告が掲載されません。

完全一致

概要

検索クエリがキーワードと完全に一致し、前後に他の語句が入力されていない場合のみ広告が表示されます。キーワードの類似パターンが検索された場合も広告が表示されます。※漢字・ひらがな・カタカナの違いや変換ミス、省略形など表記が違う場合でも、システムにより検索キーワードと登録キーワードが同じであると判断した場合は、広告表示対象になります。

※なお、GoogleAdWordsでは変換ミスなどの表記ゆれを含めるかどうかの設定も可能です。(2013年10月31日現在)

主な使い方

特定の検索クエリの掲載順位を厳正に管理したい場合(多くは、獲得貢献度の高いor獲得効率の高いキーワードの上位掲載をキープする場面)で用いることが効果的です。

◎メリット

・特定の検索クエリの入札単価を設定可能
→獲得効率の良い検索クエリがわかっている場合、完全一致を使いそのキーワードを1位掲載して利益を獲りに行く戦略がとれます。

✕デメリット

・掛けあわせキーワードで完全一致を用いると全体の登録キーワード数が増える
→3語のキーワードなどは完全一致で全パターンを網羅するとなると管理が面倒になります。特別な理由がない限り絞り込み部分一致をオススメします。

広告が表示される実際の検索クエリの例

登録キーワード:「リスティング 広告」(完全一致)

  • リスティング 広告 ※基本的にはこの検索キーワードだけに広告が表示されます。

あとは、表記ゆれと判断されたキーワードには広告が表示される可能性があります。

キーワードのマッチタイプはシーン・リソースによって使い分ける

全4種類のマッチタイプを解説致しましたが、正直「これを使えば間違いない!」と言い切るのは難しいところです。市場感・自社の運用リソース・予算感によって柔軟にマッチタイプという(戦術)を使い分けていく思考が非常に重要、肝となる部分です。

ヒントを差し上げるのであれば、メディカル系人材などの超激戦区市場での広告配信や、一般的な広告主と比較して利幅が取れないPPCアフィリエイターさんなんかは、絞込部分一致主体でのアカウント構築を行うことで無駄なコストの発生を極力避けることが可能です。さらに獲得効率の良いキーワードでガンガン上位掲載を狙える設計に一歩近づきます。

本記事は2013年11月13日時点での筆者の所感です。詳細は下記の媒体公式ヘルプをご覧くださいませ。
困ったときは、公式ヘルプをくまなく読んで勉強しましょう。思わぬ発見があるかもしれません。思い込みほど怖いものはありませんぞ。

リスティング広告媒体公式ヘルプ

Yahoo!プロモーション広告

「マッチタイプについて」
http://yahoo-jp-ss.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/2163

GoogleAdWords

「キーワードのマッチ タイプを活用する」
https://support.google.com/adwords/answer/2497836?hl=ja